水彩をいますぐ始めたい方へ!画材の解説とおすすめ【初心者向け】

これから水彩を始めたいと考えている方へ。
水彩と出会って15年、色々画材を試して得た経験を基におすすめを紹介していきます。

水彩を始めるのに必要な道具

結論、以下のものが揃えば水彩画を描き始めることができます。

  1. 透明水彩絵具
  2. パレット
  3. 水彩紙
  4. 筆洗
  5. 下描き用鉛筆、練消しゴム
  6. 雑巾


1~4は画材屋さんで購入する必要がありますが、あとのものは100均でも買えます。
水彩は道具が少なく手軽に絵を始められるのが魅力ですね。

それでは初心者の方向けに写真付きでそれぞれ紹介していきます。

透明水彩絵具

透明水彩絵具はチューブ状と固形のものがあります。
チューブ状の方が初心者からプロまで使っていて一般的だと思うので、
ここではチューブ状の絵具を解説していきます。
パレットにあらかじめ詰めておき、乾燥させてから使用します。
初心者の方はメーカーが出している24色ほどのセットを購入することをおすすめします。

絵具メーカーの特徴とおすすめセット

プロの画家も使う、おすすめの透明水彩絵具メーカーを紹介します。

ホルベイン

ホルベインは現在全100色展開されており、品質の良さと価格の安さから、初心者からプロまで幅広く使用されています。初心者にはまずおすすめしたいです。
不透明色にはホルベインにしかない特徴的な色味があります。

ウィンザー&ニュートン

イギリスのメーカーで現在109色展開。
発色が強く、鮮やかな印象があります。
画家の小野月世さんが使用していて、コラボでセット商品も販売されています。
価格はホルベインよりは高いですが、比較的購入しやすいです。

シュミンケ ホラダム

シュミンケはドイツのメーカーで、なんといっても鮮やかな発色に特徴があります。
3社の中では最も柔らかく水に溶けやすい、にじみが広がりやすい印象です。
お値段が高いので、最初からシュミンケで全色揃えようと思うと厳しい所があります。
画家の永山裕子さんが使用していて、コラボセットも販売されています。

パレット

二つ折になっているアルミ製のタイプが主流です。仕切に絵具を詰めておき、空いているスペースで溶き加減を調整したり、混色を行います。
サイズは色々ありますが、あまり小さいと出しておける色数が少なくなるので、26仕切、30仕切、35仕切の中から選ぶことをおすすめします。

・ホルベイン 水彩パレット No.80(26仕切)

・ホルベイン 水彩パレット No.150(30仕切)

・ホルベイン 水彩パレット No.200(35仕切)

筆には穂先の材質と形状の違いで、色々な種類があります。
それぞれ水の含み具合、柔らかい、コシがある、など特徴を活かして出したい表現によって使い分けていきましょう。

天然毛・合成繊維・リセーブルの違い

筆の材質は様々あり、天然毛、合成繊維、リセーブルがあります。

天然毛
セーブル(テンなどのイタチ科の動物)、リス、羊、馬、狸など獣毛のことです。
特にセーブルの中でもコリンスキーは最高級筆で、高価です。
使用感は柔らかく、水の含みが良い、穂先がまとまりやすいです。
できれば一本以上持っておくと制作が捗ると思います。

合成繊維
ナイロンなどでできた筆で、安価で手に入ります。
獣毛に比べてコシが強すぎたり摩擦に弱かったり、穂先の劣化が早いというのが難点です。
水の含みもそこまで良くはないのですが、それを活かしてドライブラシのかすれた表現が得意だったりもします。
天然毛とは違った書き味があるので、こちらも持っておくといいと思います。

リセーブル
合成繊維に凹凸などの特殊加工や、獣毛を混合するなどして、より獣毛のみの筆に近い柔軟性や絵具の含みを表現しています。
獣毛は高いのでちょっと、、、という方はこちらも検討してみると良いでしょう。

筆の種類

刷毛

広い面をムラなく一気に塗りたい時に便利です。
描き始めに画面全体を水や薄めの色で濡らす時によく使います。

羽根巻
毛質が柔らかく、非常に水含みの良い筆です。
獣毛、リセーブルが多く、お高めになりますが、水彩を描く上では1本持っておきたい筆です。

丸筆
絵を描き進める際に最も汎用性が高い筆です。12号くらいの筆があれば比較的広い面から細かい部分まで広く対応できるので便利です。

平筆
面で塗りたい時に使います。

キャッツタン
平筆としても、丸筆としても使えます。
平筆として広い面積を塗り、筆先を使って細い線を引くことを一本でできます。

最初に買うおすすめの筆3本

あまり高くなくて品質が良い、この3本があればいいなと思うものをピックアップしてみました。

・羽巻筆
ラファエル筆 ソフトアクア 6号(人工毛)

人口毛ですがリス毛のような風合いがあり、羽巻筆の中では比較的リーズナブルです。

・丸筆(中サイズ)
ブラックリセーブル 700R 10号

良質のリス毛に特殊処理されたリセーブル毛が加えられています。

・丸筆(小サイズ)
ブラックリセーブル 700R 6号

上と同じシリーズです。細かい描写用の小筆です。

水彩紙

水彩紙によって描き味や作品の仕上がりが変わってきます。
スパイラル綴じのスケッチブックや、四辺を糊で固めた水張りが不要のブロックタイプは手軽に使えて便利です。


・紙の目の荒さ
荒目・中目・細目などがあり、荒目はザラザラした表面感を生かした作品に使われます。
細目は表面がツルツルしているので細密な描写をするのに適しています。

・厚み
色々な厚みがありますが、厚みのある水彩紙になるほど高くなっていきます。
おすすめは300g/㎡です。厚みがある紙で、水を含む量が多く、紙自体の耐久性が高いです。

・材質
コットン(綿)、木材(パルプ)、亜麻などが多いです。
コットン100%は水彩紙の中では高級ですが、最もにじみ、ぼかしといった水彩技法を活かした表現ができます。

ブロックタイプでコットン100%、300g/㎡のおすすめです。

ウォーターフォード

強い表面強度があり、様々な水彩技法を活かせるバランスの取れた紙質です。
コットン100%、300g/㎡の中では比較的手に入れやすい価格です。

ラングトン・プレステージ

色ムラになりにくく、均一な色面の柔らかいトーンが表現できます。水の吸収が良いため滲みを生かしたウェット技法に向いています。 手触りが柔らかくて毛羽立ちにくくて非常に丈夫な表面強度で引っ掻きや洗い出しにもわりと耐えてくれます。

アルシュ

フランスの高級水彩紙です。
水含みがよく、水彩の滲み、ぼかしの表現に優れていて、プロの画家にも愛用者が多いです。
お値段はかなりします。

筆洗

筆を洗う時に使います。
家にある容器でも代用できそうですね。

参考書籍

もっと透明水彩を楽しもう

水彩界で有名な永山裕子さんの著書です。
基礎~作品作りのプロセスを学ぶことができます。

小野月世の水彩画 花レッスン

小野月世さんも水彩界で有名です。
色鮮やかなお花を水彩で描きたいという方におすすめです。

透明水彩の作品と手順

水彩の描き方を、色々な作家さんのデモを通して教えてくれます。
ただし、画材の細かい説明などは載っていないです。

以上、水彩を始めるにあたっての解説でした。
楽しい水彩画ライフを♪

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